感心な子

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「目覚まし時計? どうして?」 「朝早く起きて、学校に行く前に勉強したいの」  その言葉に思わず耳を疑う。  __________ この子、本当にどうしちゃったの? 「別にいいけど……。でも、わざわざ買わなくても、お母さんが起こしてあげるわよ」 「だめだよ、それじゃ。だって、お母さんが起きている時間って、いつも6時半くらいでしょ? ごはん食べたり、着替えたりしてたら、すぐに7時過ぎちゃう。わたしはもっと早く起きたいの」  その表情は真剣だった。 「__________ うん、わかった。じゃあ、次の土曜日にでも買いに行こうか」  そう答えると、沙耶の表情がほんの少しだけ明るくなった。 「佐久間さ~ん」  近所のスーパーで買い物中、名前を呼ばれた。声のしたほうへ振り向くと、 「仁科さん! ひさしぶり」  早苗より2つ上の子どもを持つお母さんで、以前はよくおしゃべりしていた。 「本当、久しぶり。半年ぶりくらいかな」 「うん、多分そうだと思う」 「佐久間さん、髪型変わっているから最初ちょっとわかんなくて。でも、その髪型かわいい。似合っている」 「ありがとう。加奈子ちゃんはどう? 白蘭中学に行ったのよね」     
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