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「そう。最近はなんかダンス部の活動に夢中で、自分の部屋でも踊ってんのよ。あの子の部屋は2階だから、ドスンドスンうるさくて。主人がよく″踊りたいなら外でやれ!“って怒鳴っている」
そう言って、快活に笑う。仁科君江は子どもの年齢も、本人の年齢も自分より少し上なため、先輩ママとしてよく相談に乗ってもらっていた。
早苗はその場で数分おしゃべりに興じていたが、少し考えてから、
「_________ 仁科さん」
「ん?」
「今日、この後って少し時間ある?」
「_________でっ、沙耶ちゃんがどうかしたの?」
早苗と君江は、スーパーにほど近い場所にあるカフェに場所を移していた。注文した飲み物を受け取って窓際の席に腰を下ろすと、君江はすぐにそう尋ねてきた。
「あっ、やっぱり、わかる?」
「わかるよ~、なんか深刻そうな顔して言うんだもん」
「ごめんね、急に」
「いいよ、今日は特に予定はなかったから。で、どうしたの? また反抗期がひどくなった?」
以前から娘の言動については、いろいろと相談していたので、基本的な情報が頭にインプット済み。それでも、こんな相談はさすがに予想していないだろう。
「実はね……」
最近の沙耶の変化を話していくと、最初は椅子の背もたれに寄りかかり、ストローに口を当てていた君江が、次第に前のめりになっていく。すべてを話し終えた後には、
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