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何だよ、好きな奴いるって男振って、俺にも気も無いくせに、そうやって可愛い顔見せるなよ!
今度は光弘が拗ねる側に回った。
「分かった。もう、別にデートしなくていい!ご褒美なんて要らない。そんなもんなくても、勝つからいい!」
顔を背けながら、口を尖らせた。
「もう、行くわ、俺」
「ま、待って!ホントに……デート、その、しなくて、も、良い……の?」
何だよ、それ。
そんなこと、そんな風に聞かれたら、誰だって期待もしちゃうだろ?
だんだんと苛立ちが大きくなる。
「もういい。もう、構うなって」
立ち尽くす彼女を置いて、光弘は体育館へと向かった。
彼女の気紛れに振り回されてる余裕何て、今は無い。
後悔しないよう、今は出来ることをやるだけだった。
クソ、何が、しなくてもいいの?だ。
したいに決まってるだろ、そんなもん!
その日から、光弘は沙耶を視界から消した。
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