沙耶

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「ミッチー、試合いつ?」 「次勝ったら、全国行けんの?」 彼の周りでは、既に引退した他の部活の者達がたむろしながら話しかけていた。 「あんまり勝つとか意識させないでくれって。意識したら負けるから」 「髄分と弱気だな」 「今年は強いって聞いたぞ?」 その話を外野として聞かなくてはいけないなんて。 今までなら、ぐいぐいと入っていって「そうなの、強いんだよ」何て自分の事のように威張れたのに。 もうそれも、叶わないのか。 このまま、卒業してお互い別の道を歩いていくのだろうか。 もう、再び交差することもなく……。
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