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「私は1人1人が答えを出すべきだと思うよ。
3人としてではなく、1人の個人として。」
2回目のゲームを終え、帰ってきたときに隆行さんに言われたことだ。
「私達はあなた達の出した答えを尊重するわ。
だから、そのための協力なら喜んでさせてもらうわ。
だから・・よかったら、またいらっしゃい。」
藍さんはそう言ってくれた。
2人とも、どうしろとは言わなかった。
あくまでこれは、個人が答えを出すべきだと考えているんだ。
この2人とは短い付き合いではあるけれど、俺の中で非常に大きな存在になっていた。
優しく頼りになる人達だけど、厳しいところはちゃんとしている。
きっちりしているといったらいいだろうか。
これは1人1人が出すべき答えだと。
だから、2人ともどうしろとは言わないんだ。
自分達にできることは、助言だけであって、決めるのは自分達だと。
だから、それ以上の言葉は無いんだ。
・・俺は結局、まだ迷っている。
1ヵ月近く時間が経とうとしているというのに、答えが出せなかった。
他の2人、暮崎さんと宮本さんがどういう答えを出したのか、俺は知らない。
知ってしまえば、楽なんだろう。
きっと、今の俺ならその答えに流されてしまうだろう。
けど、それは同時に怖いことでもあった。
自分で答えを出せないことが、今は怖い。
だから俺達は、最近会っていない。
隆行さんに何度か連絡は取ったから心配はしていないだろう。
向こうからも連絡が来るということはないから。
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