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けれど、時々思う。
何故、俺は独りでいるのだろうと。
まるで世界から孤立してしまったように錯覚する。
ごく普通に周りに人はいるのに。
見えない壁のようなものがあるように感じてしまう。
その壁はあったりなかったりする。
けど、なんだかそれは世界から俺を切り離しているような気がするんだ。
だけど、それ以上に。
あの2人との距離が限りなく遠くなってしまったような気がした。
会おうと思えば、会うことはできる。
けれど、こんな答えも出せていない、中途半端な自分が会ってもいいのだろうか?
そんな思考がそのことを躊躇わせる。
・・思えば最初のゲーム以来、こんなに会わなかったことは一度しかなかった。
その時、俺は別のことで頭が一杯だったから気付かなかったけど。
・・悪いこと、してたんだな。
「あれ、家通り過ぎてる。」
俺はふと、周りの景色を見て気付いた。
そして、帰り道の途中だったことを思い出した。
どうやら、考え事に集中しすぎていたらしい。
全く、全然駄目だな、今の俺は。
こんな状態は、間違ってもあいつには見られたくないな。
けど・・あいつに見られるってことは、あいつがそこにいるってことだから。
それはそれで、いいのかもしれないと思ったりもする。
「っと、考え事は後にして、さっさと家に帰ろう。
そして俺は、もう一度家を通り過ぎてしまったのだった。
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