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日曜日。
俺は1人、ある場所を訪れていた。
・・そういえば、前もこの場所に一人で来たんだったな。
俺は手に持っていた花をそっと添える。
・・ここは、友人の眠る墓だ。
なあ、谷藤。
俺は結局、どうすればいいんだろうな?
そんな無意味な問いかけをしてみる。
だって、これは自分で答えを見つけるしかないものなんだから。
・・答える人などいなくて、風の音だけが聞こえている。
ここには自分以外、誰もいなかった。
なんだか閑散としていて、それが少し辛く感じた。
結局俺は、何もできなかった。
相変わらず答えを出すこともできないし、あいつを連れて帰ることもできなかった。
谷藤、お前ならどんな答えを出したんだ?
勿論、答える声なんてない。
それが空しく、心に隙間を生む。
その隙間に風が入り込んで、それは寒く冷たい。
本当になんて無駄なんだろう。
結局、俺は自分で答えを出すこともできないから、死者に頼ってしまったんだろ。
友達を頼るなら、生きてるやつに頼れって怒られそうだ。
「谷藤・・また来るよ。
次はきっと、答えを見つけてさ。」
今みたいな状態でここに来ても、きっとまた辛くなるだけだ。
俺は振り返ることなく、その場を後にした。
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