5.扉を開けると

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「誰に?」 「みんなに」 「沖田くんにも?」 「うん」 「…………瑶子さんにも?」 「誰にも」 「――」  なんで? 近しいヒトたちにまで?  淡々と淀みなく応えてくる翔に、さらにうっかり突っ込んで訊いてしまいそうになっていた。  危ない……。  さすがに、それ以上踏み込んではいけない気がした。  そんな……大事な人たちにまで秘密にするような領域に、自分なんぞがうっかり触れていいはずが――。 「前――高一ん時な。……俺もあんなだったんだ」 「え」
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