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――が。
すっかり黙りこんでしまった彩香にハッとして眉をしかめたかと思うと、次の瞬間。
「――って、なに余計なことまで喋らしてんだよ、この馬鹿チビがっっ」
ガバリとまたもや大きな手のひらが彩香の頭部を急襲した。
「え、えええええええ! ヒトのせいにしますか、そこ!?」
「るっせ。今までの仕返しだ」
「いだだだだだ……ち、縮む。縮むからーっ!」
何発叩かれたと思ってんだこのやろ、などと言いながら鷲掴んだ手は更にぐりぐりと押さえつけてくる。
(ていうか、こ、このヒト本当に……)
呻きながら、あらためて彩香は確信した。
軽薄な笑みと猫なで声のほうが良かったというわけでは断じてナイが、いくらなんでも豹変しすぎだろっ!とどこかに訴えたい。
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