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「――変なヤツ……」
ショックと後悔で力なく廊下にへたり込む背中に、呆れたような――だが妙に憐れむような声が降ってくる。
「だから、なんだってそんなに跳びたがんだよ? 最初から断然不利だろ、身長勝負な種目なんて。努力はわからなくはねーけど……それだけじゃどーにもなんねえことだってあんだろ」
「だからですっ。絶対ムリそうなところ越えられたら、今度こそ何か変われるかもって思うじゃないですか!」
思わず勢いよく上体を起こして、力説してしまっていた。
「――」
はあ?と言わんばかりに目を丸くしている、無駄に造りだけはいい顔をまともに見上げてしまい、急激に我に返る。
(な、なにバカ丸出しで語っちゃってんだ自分!? 今まで誰にも……柚葉にさえ言ったことないのに!)
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