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中二からぴたりと止まったままなのに、ヒドイ! と脳内でささやかな抵抗をしていると。
「いっちょ前に文句たれてんじゃねーぞ。バカ彩香」
「――」
何か聞き捨てならない呼ばれ方をしたような気がするが……聞き間違いだろうか。
一瞬奇妙な静寂に包まれる。
そして、
「何その呼び方ーーーーーーーーーーーーっ!?」
やはり今いる棟全体に響き渡るほどの大声で叫んでしまっていた。
うるせえ馬鹿と仰け反りながら、翔は物凄く嫌そうな視線を向けてくる。
「ああ? この期に及んで『ちゃん』付けで呼べって? どんだけ図々しいんだおまえ」
「んーなこと言ってない!! 苗字で!! 普通にっ苗字でっ!!」
飄々と呆れたように吐き捨てる翔に、小柄な体と両腕をフルに活用して、世間一般的に至極当たり前なはずの要請を試みる。
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