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(あたしはアンタの妹でも下僕でも、かかかか彼女でもねーぞ! 名前で呼ばれる覚えはなーーーい!)
――が。
「……『西野』?」
「そう!」
固く拳を握って大きくうなずいている彩香をひと睨みしてから、翔は少しだけ考えるように視線を宙に巡らせた。
とても面倒くさそうに。
そして。
「嫌だ」
「い、イヤ、って……」
「西野カナわりと好きだから、無理。呼び捨てありえねえ」
さくっと、しかも思い切り顔をしかめて宣いやがった。
(あ……翔がありえねーわあああああああぁ!!)
いろいろありすぎて感情が麻痺しそうになっていた上に、真面目に血管が切れるかと思った。
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