1.気付けばわりと敵だらけ

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 こんな変態からはさっさと離れて他の皆と合流せねば。  そしてロードワークに出るのだ。  というか柚葉はどこに行ったのだろう? と、つい数分前までは自分のほうが逃げ回っていたことも忘れてキョロキョロと周辺を見回す彩香に、 「ねね、彩香ちゃんだけなんでいつもハチマキしてんの? みんな大会本番とかにしかしないって聞いたけど?」  当然おとなしく置き去りにされるはずもなく、またもや難なく追いついてきた翔が喜々として額を指差してきた。     「気合です」 「気合か。いいねぇ」   親友探しを中断せずにぶっきらぼうに応える彩香にぷっと噴き出し、一呼吸だけ置いて翔が続ける。 「つーか、彩香ちゃんってさ」  意識の半分以上を親友探しに向けてはいたが、微妙に空気の変わった長身変態にはさすがに気付いた。
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