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「あ、はい部長っ。今行きますっ」
「香川ちゃん、怒ってばっかだとハゲるよー?」
すでに駆けだしている侑希の背中を見送り、しょーがねえなあとばかりに翔ものんびりと歩きだした。
どうも無駄に熱くなりやすい香川部長を、面白がって突付いて楽しんでいるフシがある。
「ああ!? じゃハゲたらおまえのせいだからな? 責任取れよ? 早杉」
「ええ? 俺、香川ちゃんの嫁確定?」
「さっさと行けオラァァァ!」
「きゃー」
どこまで演技かわからない蹴りをひらりと躱して、そのまま残りの男子数名と一緒にグラウンド外へ駆け出して行く。
ぶつぶつこぼしながら香川も後に続いた。
「やっと行ったね」
にぎやかに出発していった男子集団をクスクス見送りながら、瑶子と柚葉がそれぞれ自転車を引いて近くに歩み寄ってきた。
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