1.気付けばわりと敵だらけ

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「ありがと。やっぱり彩香大好き」  一気に破顔した柚葉にぽんっと両肩を軽く叩かれ、そのまま二人でストンと床に腰を下ろした。 「だから、ね」  そのまま肩を組むように、すかさず柚葉の綺麗な笑顔が近付いてきたと思ったら、 「だから――――絶交させるようなこと、しないでね?」  再び般若降臨。 「う……っ」  もうこれ以上は本当に何もしてくれるなと暗に告げているのだ。  やけにドスの利いた声で、可愛く小首を傾げながら。 「あれ? 彩香、お返事は?」  親友の心の奥底の小さな願いに気付けた以前に。  昨日と同じ、かくも美しく恐ろしい笑顔でこうして迫られたら。 「は……はい」  本心はどうあれ、ここはもううなずいておくしかなかった。
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