1.気付けばわりと敵だらけ

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「嬉しくないし! いつの間にかいるんだよその辺に! しかもいいところで!」  羽交い締めにされて、首根っこ掴まれて、大爆笑されて、馬鹿にされて…………どこに羨ましい要素があると!?    うがああっと吠えたくなる衝動をなんとか押し込める彩香に、それはそれは綺麗で屈託のない笑顔を向けて柚葉。 「彩香、気に入られちゃったんじゃ? そういえば公園で会った時も先輩楽しそうだったじゃない?」 「んなワケないじゃん! 瑶子さんいるんだし! そんなんじゃなく、なぜかアイツ沖田くんを――」  言いながら、はたと固まった。  全身一時停止したまま、眉根だけはぐにゃりと寄って……。  ――そうだ、いくら否定してもなぜか自分が沖田ラブだという誤解は解けず(そもそもまともに取り合ってくれていないようにも思えるが)、それどころか妙に(はや)し立てるような言動をしてはいなかっただろうか? あの変態は。   
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