1.気付けばわりと敵だらけ

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 真面目云々については一考の余地があると思うが、本当にあの早杉翔のことが好きなんだなあ、と思うとなぜか胸が熱くなった。  彼を想い、幸せそうに微笑む彼女が本当に綺麗で……。  やっぱり同じなのだ。  柚葉も瑶子も。  片思いだろうと両思いだろうと、大好きな相手がいる。  とにかく心の底から想ってやまない――――そんな相手がいる彼女たちを、少しだけ羨ましい……と感じてしまった。 (くっ……。ガラにもなく「貰いキュン」してしまったゼ!)  「西野さんは?」   不覚にも何と乙女な感情を抱いてしまったのだ自分!と打ちひしがれていると、微笑みは絶やさないまま声だけひそめて瑶子が耳打ちしてくる。 「え?」 
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