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(……だからって、こういうコトする? せっかく可愛いのに……)
名前も知らないし別段仲良くしたいとも思わないが、かなり残念な後輩たちに憐れみに近い感情がこみ上げる。
言動ですべて台無しじゃん……と思わず出てしまったため息。
そんな余計なお世話でしかない内心をごまかすようにうつむいたまま、彩香はまず中身を全部ぶちまけてひっくり返っていたカゴを拾いあげ、土を払った。
「――大丈夫だけど、一緒に拾ってくれると助かる」
抑えた声で言いながら罪の無い小物道具たちを拾い始めるも、その様子をニヤニヤ笑いながら眺め下ろすだけで、彼女たちは動かない。
それどころか――
拾おうと手を伸ばした先のストップウォッチを、あろうことか一人がコツンと蹴りとばした。
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