1.気付けばわりと敵だらけ

4/34

117人が本棚に入れています
本棚に追加
/380ページ
(沖田くんと――無駄にくっつけようとでも……? いや、まさか……。え? でも……?) 「ゆ……沖田くんを?」 「あ、あああ、いや、そ……その」  気のせいだ。うん。  そうでなければ変態が面白がって悪ふざけしてるだけとか。  いくらなんでも大事な幼馴染と、恋愛(そっちの)分野にまるでお呼びでない自分なんぞに、本気で纏まってほしいなんて思うはずがない。   「い、家が近くてずっと仲良かったらしいよ。お、沖田くんと」  どちらにしても気軽に柚葉に言えることではない、という結論が少しだけ気分を重くした。 「俺? 呼んだ?」  どこかの清掃を終えて戻ってきたらしく、ちょうど教室に足を踏み入れた侑希が背後から声をかけてきた。  輝きオーラを纏ったイケメン王子は今日も爽やかに注目を集めている。
/380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

117人が本棚に入れています
本棚に追加