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当たり前だが沖田侑希にも他の男子部員にも邪な感情を抱いて接した記憶など微塵もない。
早杉翔に至っては、怒鳴りちらして平手打ちして胸ぐらタックルかまして……と怒りマックスなあの神対応のどこがすり寄ってるように見えたのだろう?
「アレでですか? あの三年の先輩にも『構ってー』って雰囲気ミエミエなんですけど?」
「あはは、言えるー」
「先輩たちも実は困ってるんじゃないですかー?」
(いや、困ってんのはあたしだよ!)
超鈍ちんのド忘れ男とか邪魔しかしないタラシ変態族にさっ!と思わず項垂れたくなる。
そんな彩香に何を思ったのか、美郷は冷たい視線で全身を眺め回してきたあげく、
「よく恥ずかしげもなく先輩たちに近付けますよね。その程度のルックスで」
信じられないとばかりに眉根を寄せて、鼻で笑ってきた。
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