2.だからって、そう来るか?

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 振り返ると、校舎外壁に片手をついた長身の影。 「……は、早杉先輩!」  すでに制服姿で鞄を抱えた、あとは帰るだけの恰好になった早杉翔がいた。  そして。  暗くてかなり見えづらくはなっているが、その後ろにもう一人―― 「沖田くん、も……?」     夕闇のせいかいつもの爽やかオーラこそ感じられないが、間違いなく沖田侑希だ。  しかしまったくの無表情でこちらを見つめ佇んでいるのは、なぜなのだろうか。  ……それとも気のせいか。 (え、なんで? いつから二人が)  先ほどの早杉翔の第一声からしても、会話もある程度聞かれていたに違いないのだろうが。  ゆっくり歩み寄ってくる彼ら二人を、彩香は半ば呆然と見つめた。  一年女子三人に至っては声も出せずに固まっているらしい。
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