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一瞬びくりと体を震わせた彼女たちだったが、続けてどんな反応をするよりも早く、
「今度またこういうことしたら、練習見に来るのもやめてもらう。いいね?」
静かだがこの上なく厳しい口調で侑希は言い放った。
何だかんだでしっかり次の機会を与えてやる懐の広さもさすがだ。
人徳の爽やかイケメン。
これは誰も叶わないわー、と薄く小さく心の中で意味不明な「万歳」を唱えたくなってしまう。
暗くて表情こそ見えないものの、美郷たち三人も微かにうなずいたようだった。
――――と。
そうだ、このまま帰すわけにはいかないのだったと思い出す。
「ちょい待ったあ!」
後ろ髪を引かれるようにおずおずと歩き去ろうとした彼女たちを、彩香が一喝して引き止めた。
きっちり落とし前はつけてもらわなければならない。
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