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まもなく下り電車が到着するというアナウンスが、軽やかに頭上を流れた。
約15分おきの運行ダイヤのため、これを逃したとしても大した痛手ではないのだが、それほど待たずに乗れるのはやはり嬉しい。
こうして予定外に遅くなってしまった日は特に。
柚葉と並んで2番線ホームへの階段を下りると、少し先――プラットホームの中ほどに見慣れた男子高校生二人組が立っていた。
普通に電車を待っているだけのはずなのに、彼らはやっぱり――ひときわ目立つ。
ホーム全体が帰宅ラッシュで混雑しているというのに、二人の周りだけ妙にゆったり空間的余裕がある。
にもかかわらず、遠巻きにしている女子中高生やOLさんたちから絶えず熱い視線を集めているあの現象は何だかなー……?とやや白い目を向けていると。
視線の先で、こちらに気付いたらしい爽やかなほうがにこやかに片手を挙げた。
遅れて振り向き、ややデカいほうがあからさまに顔をしかめる。
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