1.気付けばわりと敵だらけ

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「うーん、翔の弱点かー」 「そう!」 「弱点ねー。うーん……」 「――――」  腕組みして軽く考えこんだまま、廊下を歩くこと30秒。 (弱点ないってか、あいつ!? 完璧人間ってこと!? ますますムカつくー!) 「あ」  怒りの炎がいっそう激しく体内を駆け巡ったところに、ぽんっと手のひらを打って侑希が振り返った。 「寒いの苦手っぽい」 「…………」  どう?使えそう?と満面の笑みで見下ろしてくる侑希を思わずジトッと見上げる。  そんなの、どうしろと言うのだ?          身ぐるみ剥いでその辺に転がしとく、とか?  ……いや、駄目だろ。  さすがに犯罪だ。  それに何といっても敵は変態。  むしろ喜ぶかもしれないし…………やめとこう。
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