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「うーん、翔の弱点かー」
「そう!」
「弱点ねー。うーん……」
「――――」
腕組みして軽く考えこんだまま、廊下を歩くこと30秒。
(弱点ないってか、あいつ!? 完璧人間ってこと!? ますますムカつくー!)
「あ」
怒りの炎がいっそう激しく体内を駆け巡ったところに、ぽんっと手のひらを打って侑希が振り返った。
「寒いの苦手っぽい」
「…………」
どう?使えそう?と満面の笑みで見下ろしてくる侑希を思わずジトッと見上げる。
そんなの、どうしろと言うのだ?
身ぐるみ剥いでその辺に転がしとく、とか?
……いや、駄目だろ。
さすがに犯罪だ。
それに何といっても敵は変態。
むしろ喜ぶかもしれないし…………やめとこう。
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