3.闘い(?)のあとに

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(な……何でいっ? その顔はっ)  わずかに動揺しつつも、心の中でチッと舌打ちしていると、 「ほら彩香、謝るチャンス」  隣の柚葉が耳打ちしながらトン、と肘で突いてきた。 「え、な、なんで……っ」 「じゃあせめてお礼。ヒトとして」  経緯や過去の絡みはどうあれ助けてもらったことに関しては感謝しないと、ということらしい。   「……」  確かに。  曲がりなりにも助けに入った(?)相手に食って掛かるような態度はマズかったかも……と思う。  だがしかし「変態言いすぎ!」と感じたのに変わりはないし、率直な思いをぶちまけたことについてもそれほど激しく後悔してはいない。  でも、ヒトとして……うん、そうだなお礼くらいは言っとくか、と彩香はグダグダゆるゆると意を決した。
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