3.闘い(?)のあとに

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 ◇ ◇ ◇ 「……おい」  遠ざかっていく下り電車を眺めながら、不機嫌アピール満載で早杉翔は呼びかけた。  すぐ隣に立つ相手からはなぜか何の反応もない。 「おい、侑」 「聞こえない」 「あぁ?」   「何となく言いたいことわかるから、聞かない」  素直に応えないばかりかツーンと明後日の方角に顔を背ける幼馴染に、我慢ならんとばかりにドアップで詰め寄ってやる。  「うるせえ、聞け。なんっっっっっでなんだ? あのちまっこい五月蝿ぇ女のどこがいいんだ? なあ?」  ほらやっぱりーなどとつぶやいて固く両耳を塞いでいるつもりらしいが、何を無駄なことを……と思う。
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