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「おまえならちょっと振り向きゃよりどりみどりだろーが。よりによってなんであんなのがいいんだ!? ――ってコラ、シカトやめろ」
片手を掴んで無理やり耳から引剥がし、きっぱりはっきりと告げてやった。
すると。
「――むかつく」
反対方向を向いたまま、超がつくほどの小声でボソリと侑希が口を開いた。
恐ろしく不似合いなセリフに一瞬目が点になる。
「あ?」
「『カッコいい』って言われてた」
「はあぁぁあ?」
そういえば――――意味不明なあの言い合いの最中、あのチビなぜか妙なことを口走りやがってたな、と思い返す。
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