4.どーも下がるんです

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(よしっ。今日は春雨サラダにしよう)  雨ごときに負けてたまるか、おまえら食ってやるっ!と鼠色のどんよりした空を睨み上げた時。 「なーに? 日光浴びないと動かないとか音出ないとか?」  トイレから戻ってきた柚葉にぽんっと背中を叩かれた。 「……あたしは太陽光で動く玩具か何かか?」  憮然とつぶやいてみたが、でもそうかも……と思ってしまった。  だから何となく気分も停滞したまま、なのかもしれない。  いつもと変わらずにぎわっている昼休みの教室を、どこか別次元なところから眺めている気分にさえなる。 「お。西野。高瀬」  どこからか戻ってきた沖田侑希が窓際の二人に気付き、颯爽と歩み寄ってきた。
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