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「じゃっ、お二人さんごめんなさいよ。あっしはちょっくら用足しに行ってくるでござるよ」
ひょいっと二人の間から飛び出て、御免なすって!とばかりに敬礼してみせる。
「え、じ、じゃあたしも――」
「いや断る。っていうか柚葉さっき行ったじゃん。もうすぐ予鈴だしここに居るがよい」
般若柚葉に釘を刺されてしまって以来、あからさまな謀略は巡らせていないが、このくらいのキューピッド作戦(旧)は許されるだろう。
せめて次の授業が始まるまでの短い時間だけでも、二人っきりの空間を作ってあげたかった。
「そ、それ、どんなコンセプト……?」
「あははは、行ってらー」
笑って手を振る侑希と困り顔のまま頬を染めた柚葉をその場に残し、『誰も半径2メートル以内に近付くんじゃねーぞ邪魔すんじゃねーぞ』的なひと睨みを周囲に効かせてから、教室を出る。
と、そこへ。
「あっ。ちょーど良かった、西野西野!」
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