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「い……今じゃなきゃ、ダメ?」
(大和撫子と爽やか王子、今せっかく二人っきりなんだよーーーー!)
「もうすぐ、ほら……五時間目、だし」
「いや今! 頼むっ! やっと勇気奮い起こしたんだコイツ」
「……」
そして。
友達のために一生懸命両手を合わせてお願いポーズをする元級友の気持ちも、自分には痛いほどよくわかっていて――。
そうだ。
そもそもヒトの恋路を邪魔してはいけない。
柚葉を想っているであろうこの男子生徒の言動を制限する権利など、自分には無いのだ。
眼力によるバリアが効いたのか、窓際の見目良いツーショットは未だ守られていた。
並んで中庭を見下ろしながらどんな話をしているのやら。
本当はこの光景を誰よりも誰よりも守りたいのだが……。
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