4.どーも下がるんです

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「ゆ……ゆーずはー……」  涙を飲んでできるだけそろりと名前を呼ぶも、結局は侑希ともども振り返らせてしまった。  そんなスーパーイケメンの動きに伴って2-F生のほとんども教室後方ドアを振り返る。  (――ってなんでだよっ! 皆爽やかイケメンの一挙手一投足に注目しすぎ!)  内心でがっくり頭を垂れる。  視線の先がどんな状況かなんて……ちょっと察しの良い人間ならたちどころに解釈できてしまったに違いない。     おお、今からコクられに行くのか、と。 (あうう……キューピッド失格)  そのうえ――  沖田侑希がどんな顔で柚葉の後ろ姿を見送っているのかは、不覚にも確かめることができなかった。
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