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たばこの匂いをぷんぷんさせて至近距離から凄んでくる三年男子に、気付いたら律儀に応えていた。
そんな自分に、
(落ち着いてるというか度胸あるというか……我ながらスゴイじゃん! ヤツとの抗争の成果かっ)
と小さく感動しながらも、同時に
(っていうか明らかにヤバそう! さっさとこの場から逃げねば!)
と自身の内なる声も聞こえる。聞こえてはいた。
のだが。
「え……ええと、ですね……」
「ああ?」
そもそも、せっかくの広いスペースで各々全員が希望のトレーニングをするには微妙にマットが足りず、今日はもう校内に居ないらしい体操部の分まで張り切って借りに来たのだ。
はるばる第二体育館用具室まで。
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