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手ぶらで帰っては陸部面々に申し訳がたたないし、何より自分の跳躍訓練ができなくなってしまう。
いくらバーを使用しての正規訓練ではないとはいえ、それだけは何としても避けたかった。
よって――
「あ、あのう……」
ごくりと喉を鳴らして、彩香は一歩踏み出す。
「…………電気点けても、いいですかね?」
「はあ?」
決死の表情で「灯りを点けろ」と宣う彩香に一瞬だけポカンとしたものの、喫煙男子生徒たちは揃って噴き出した。
「うははは、すげー」
「ちっちゃいのに結構肝っ玉だねー」
「一年生? 何? 先輩にパシリに使われちゃったのかなー?」
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