5.扉を開けると

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(さ、最低だ(コイツ)! 相手は確かにガラ悪そうだし、多勢に無勢で思わずビビってしまったのかもしれないけど……。いたいけな後輩女子を見捨てて逃げようとしたなっ!?)  いくら喧嘩モドキをした相手だからってヒドイ!  ……と、大いに見損ない――――かけた時。 「――助け甲斐がある相手ならな……。ったく」  恨めしそうに明後日の方を向きながら、ボソボソと翔。  彩香の悲鳴のような抗議に、しょーがねえ……とばかりに舌打ちして、今度こそ面倒くさそうに入ってきた。 しっかりドアは全開にして。 「……あー、どーも陸上部(ウチ)のヤツがご面倒おかけしたようでーえ。煮るなり焼くなり好きにしてくれていいんだけど、邪魔で邪魔でしょうがないならウチで引き取らせていただかないワケでもなきにしもあらずというかーあ」 「ちょ……どっちっスか!?」
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