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「でもそれは、他の事に使っちゃだめだよ」
優しく抱き寄せているように見えるが明らかな独占欲は、異様な熱となりむつみを包み込む。けれど、愛してくれる夫を異常などと思った事はない。
生きる事に遠慮をしているのだから、どんな時も誰に対しても拒んだりするはずがない。むつみは常に夫をまっすぐ見つめ受け入れる。
「そんな顔して見ないで?止まらなくなる…」
君が悪いんだと言わんばかりに抱きしめると、この場に必要ない言葉を閉じ込めるように口元をふさぐ。
夫婦であれば何も焦る事などないはずなのに。
「僕のものだって、忘れないで」
愛おしいのだから順を追ってゆっくり愛したいはずの身体なのに、裏腹に惑わされ、指先の加速を許さざるをえない。
強すぎて、抱きしめれば痛みを伴っているはずの身体をさらに弄ぶようにこじ開けて、深く侵入させその表情を伺う時間はたまらなく刺激的だ。
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