Take me

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神聖であるはずの場所を汚(けが)すのだから、いつか天罰が下る事くらいは理解の上だ。 けれど、制限があるほど男女とは燃えるもので、止めようとする窓から差し込む光が修哉の理性を保った事など一度もない。 かといって、最高の瞬間を味わいたいからと無謀を働く事はしない。曲がりなりにも彼らは大人だ。 「一緒に選びに行こうか。来週はどうかな?」 乱れた妻の襟元を直しながら、修哉はゆるやかに体勢を変える。自らの身体が泣き始める前に制限をかけるのも上手くなったようだ。 「いいの?」 修哉のおしおきめいた行動が止まった事にも安堵したが、何より外に出られるなら期待がふくらむ。 「外泊もできるならいいね。明日の回診でドクターに聞いてみて、許可がとれたら一緒にうち帰ろう」 帰るといっても、ほんの数回しか過ごした事のない我が家だが、修哉にとってみればその場所は唯一、妻を愛せる神聖な場所だ。 「楽しみ。着替えを用意しなくちゃ」 妻の命の期限なら、夫にとってみれば共に過ごす期限ともなるのだから、切ない事この上ない。
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