28人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の方が指が長いから、何とか届くかもしれません」
「ん…っ、あ、あぁ…」
淫らな声を漏らし、身悶えながらわたしは何とか言葉を絞り出した。
「も、嫌なのぉ…、お願い、家に帰らせて…ぇ。一刻も、はやく。…ん、あんっ、こんな、とこで。…恥ずかしいの…、あぁ…」
高城くんは迷うような、戸惑った声で答えた。
「夜さんの家までまだ十五分ほどかかります。…でも、そうですね。車を停めてそれを処理するのも。スモークが貼ってあるとはいえ、何処でもいいって訳には。…確実に安全な場所を探すとなるとそんなに所要時間は変わらないかもしれません」
口調を変えて、わたしに向かって励ます声をかけた。
「そうしたら、お家まで何とか持ち堪えられますか。失礼かと思いますが、到着したらお部屋に僕も上がらせてもらって…。見せて頂いて、もしどうにもならなければ無理せず病院に行きましょう。身体が一番大事ですから。僕がついて行って、ちゃんと全部説明します」
こんな時なのに変な疑問が。わたしは喘ぎながら思わず彼に尋ねた。
「…なんて…、説明、するの?」
彼は妙にきっぱりと断言した。
「僕らはカップルで、僕があなたに調子に乗って変な悪戯をしてこんなことになってしまったって言います。叱責されるのは僕ですから、夜さんは何も心配しなくていいですよ。それよりあともう少し、何とか我慢して下さいね。っていうか、…僕のことはあまり、気にしないで」
やや言葉の歯切れが悪くなった。
「無理に、…反応を、抑えるとか。そういう必要はないですから。どうしてこんなことになったのかは承知ですし。あまりに苦しいようなら、その」
いっても恥ずかしくない、っていうことなんだろう。わたしは呻いて返事に代えた。
そうは言っても。やっぱり、こんな風に感じまくってびくびくしてるところをずっと見られてるのは屈辱なんだよ。自分のせいかどうかはあんまり関係ない。
「全然、…止まんない」
わたしは息を弾ませながら呟いた。
「あいつら。…近くに、いるの?…まだ」
「僕もそれを心配して、ずっと周りの車の様子を観察してるんですが。…尾行されてるような感じは見受けられないですね」
思案するような調子で続ける。
「僕もあまりその手の玩具に詳しくはないんですけど。だいぶこういうものも技術が進んで、細かい調節や遠隔操作が可能なものが出てきてるようです。
最初のコメントを投稿しよう!