28人が本棚に入れています
本棚に追加
個人の好みに振動や間隔をカスタマイズして、それをデータ化できるって話もありましたから。どうやら想像以上に遠くからでもコントロールできるものなのかもしれません。そう言えば、遠距離恋愛のカップルがこういうものを使って交流するって話題も」
なんじゃそりゃ。わたしは力なく目を閉じた。中でますます暴れ回ってわたしを弄ぶそれに対抗する気力ももう全然残ってない。抑えきることもできずいやらしい声が止めどなく漏れる。
「は…、あっ、やん、いや…ぁっ、もお…ん」
「声、我慢しない方が楽かも。僕のことは気にしないで。少しでも楽になれるように、だけ。…考えて」
そう言いつつ声が若干辛そうだ。そうだよな、午前中から今日は変な声ばっか聴かされて、エッチな場面いっぱい見せつけられて。
挙句にこんな身悶える女と車内で二人きりにされて。異性愛志向の健康な身体の若い男性ならとっくにおかしくなってるかも。
そこまで考えて、思えばわたしは高城くんのこと何も知らないってことに思い当たった。性の対象が女性かどうかもわからない。自分がしたことないのは勿論、クラブの中で彼が他の女の子としてるところを見たこともないし。
もしかしたら女性に全く関心の持てない人なのかも。そうじゃないって言い切れない。
わたしは彼のために祈った。高城くんが、女なんか全然興味なし、ぴくりとも反応しない男の子であればいいけど。だって、でなかったら。
わたしはびくんとのけぞり、喉の奥からはしたない甘い声を漏らした。
「ん…っ、あ、あぁ…っ、ん、い、く…ぅっ」
堪えきれず胸とそこに手を這わせそうになり必死に我慢する。…こんな状況、マジで運転に集中するどころじゃないでしょ…。
車を百円パーキングに停め、何とか彼にしがみついて自分のアパートまで辿り着く。二週間ほど送ってもらってたあの時以来だ。おかげでいちいち家の場所を説明しなくてよかったのは助かった。ちゃんと落ち着いてわかるように話す自信がない。
部屋に入ってベッドに力なく倒れ込んだ。彼が内側からしっかり鍵をかけた音が聴こえる。身体を息づかせて横たわってるわたしに近づいてきて、ぎし、と音を立ててベッドに膝をついた。
「本当に。…すみません。失礼、…します」
彼の声がいつもと違って変な風に掠れてる。やっぱりこの人でもさすがに緊張するらしい。
わたしのスカートの中に手を入れて思い切ったように手早く下着を引きおろす。
最初のコメントを投稿しよう!