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成形して、冷却をかけコーヒーを飲み一息入れる。
「……主婦っぽくね?」
あれ、リオが稼ぎに行って俺が飯作ると主婦なイメージに……いや待て、俺だって働いてますから。
第一、飯を作るのはリオだから。今日は俺だったけど普段はリオだから。
「うん。働く主婦はリオだな」
と納得してから頭を抱えた。
夫婦じゃねーんだから、主婦も何もねーだろうがー。
赤髪が悪い。あいつのせいでアルのこと思い出して、ちょっぴり感傷的な気分になっている。
ただいまって帰ってきたら、そのうちこうやってハンバーグ作って待っていたのかな、なんて。あり得ないこと考えちゃった俺が悪いんですけども。
けど、と、リオがいないので想像する。
きっと家で作って食べるより、適当に買って来たり食いに行ったりして、スープだけはアルが作ってくれていたんだろうな。
あの適当さがよかったんだよなー、なんて苦笑して、さて焼くかとコーヒーを飲み干す。
自動ドアを通り帰ってきたリオと、夕飯を食べて今日の赤髪情報を伝える。
「めんどくせー。貴族ってそんな面倒なんだ。別世界すぎて興味も湧かなかったけど」
「たまに変なのがいるんだよな。あれ、こう考えると俺の知っている貴族みんな変?」
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