快適な生活

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 そう、国に金が入ったのだ。そこに献上されたコール君は、第四城壁の詰所と新兵訓練所に置かれることが決まり、合計で四組の注文が入った。  ちょうどリオもいるしと、魔方陣も完全秘匿にはせず学園へ提出した。できればもっと簡単な通信魔方陣を、誰かが作ってくれればいいと期待しての公開だ。  国王からはジルを通して、お高い酒がもらえた。リオがうちにいるのを知っているのだろう。まあ、隠さずよくでかけているからな。  そんな感じで、行動力のある国王により、二十日もかからず事態は治まった。  庭の畑からはにんじんを収穫し、今はジャガイモの収穫待ちだ。いつでもリオのいる国へ遊びに行ける。  今は護衛に出ているイゾッタとベラの帰還待ちをしている。  リオにイゾッタの言葉を伝えたら、気のない返事をしていた。だが数日後、会ってくると言われたので冒険者ギルドに行ったら、任務中だったのだ。 「クリス、今日の予定は?」 「コール君作りたいから、血液集めかな」 「んじゃスラム行かないか? 俺たち掃除屋なわけだし」  リオがニヤっと笑ったので、ふは、と笑ってしまう。  離れていた間にリオは著しい成長を遂げていたようで、少年が青年になり、大人へと変化する様を俺に見せつける。     
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