掃除屋が通りますよ

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 青白い火球を見つけた死体にぶつけ、結界で覆い飛び火を防ぐ。一瞬で燃え尽きるのですぐ解除をし、足を止めずに通り過ぎていく。  放置されている死体は、老若男女問わず裸だ。どんなぼろきれだろうとも、スラムの住人にとっては貴重なものだ。  けっこう広い新スラムの中を、縦横無尽に走り抜け後ろを振り返る。もう終わりが見えているので、リオはどこかと確認すれば、すぐそこまで近づいていた。  とっさにフォール君を起動したら、その穴を飛び越えたリオに肩をガッチリ掴まれた。 「今の、攻撃ってこと?」 「ははは、すまんつい」  すいませんと頭を下げ、悪臭の消えたスラムを眺める。三日もすればまた臭いがしてくるだろうが、とりあえずはすっきりした。 「バートいなかったな」  隣でスラムを眺め、リオがぽつりと漏らした呟きを聞き流す。  バートの死体はすでにない。俺が燃やしたから、髪一本すら残っていない。たった一日も生きられなかった過酷な場所。それでも、ここに行くと自分で選んだのだ。 「昼はギルドで食うか?」 「いや、作るから帰ろうぜ」 「了解。庭で食うか」  街へ戻ろうと歩き出したとき、カールが片手を上げているのを見た。後ろ手にひらりと手を振り、ゆで卵を作ってガルムに投げつけようとリオへ提案する。     
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