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快適な生活
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起きて居間へ行くと、懐かしい香りがして戸惑う。
厨房ではリオが何かを焼いていて、食欲を刺激する匂いもしているのだがそれではなく。どこかにあるだろうと思っていた、飲みたいと思っていた、これは、コーヒーの香りだ。
ふらふらと厨房へ行きそっとのぞき込むと、リオがおはようと声をかけてきたのでおはようと返し、きょろきょろと香りの元を探す。
「何?」
「いや、いい香りがするから何かな、と」
「もしかしてコーヒー? 今いる国で飲まれてるやつなんだけど、けっこう苦いよ?」
カップを差し出され、それを受け取り鼻へ近づける。うん、コーヒーだ。
そっと口をつけ、あまりの苦さに顔が歪む。期待していた分だけ落胆は大きく、俺はこんな苦みと酸味が強いコーヒーじゃなく、インスタントなコーヒーが飲みたかったとリオを睨む。
「だから苦いって言ったろ」
「違う。ところでこれの豆はあるのか? 粉か?」
「葉っぱだけど」
なぜそこで葉っぱになる! そんなとこだけ無駄に設定出してくんじゃねーよ! と、サブカルに親しんでいたややオタクよりな心の叫びと一緒に、苦いコーヒーを飲み込む。
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