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白い街
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やってまいりましたウーゴが住んでいる国にある海の街。
感想は、白い。です。
街を見下ろせる山の途中にある崖の上に、リオに腹を抱えられて降り立った。
「なんで腹に腕を回すんだ」
「人を連れての転移に慣れてねーから」
俺のイメージで、海の近くはべたついた潮風があるのだが、この街はカラッと乾燥した風が吹いている。
高校入学祝いと称して、家族で行ったハワイみたいだ。
山の下に広がる丘の先にそびえる外壁の向こう、海へ向けて緩やかな下り坂となっている街は、王都に比べかなり小さい。
その代りというべきか、並ぶ建物も通りも、どれも石造りだ。その石壁は白く、屋根と道はくすんだオレンジでとても美しい。ここから見て左側、崖を利用した城が見える。その城も絵本にあるような、ドラキュラ城っぽくて見惚れてしまう。
その街の先には青というより、緑の海が広がっている。水平線の方は紺色に見えるが、手前は緑。バスクリンの緑だ。
「綺麗な街だな」
「遺跡をそのまま使ってるんだってさ。劣化してないってすげーよな」
「へー」
左右にある崖と山。丘も元は森だったのだろう。まるで隠されたように広がる、劣化しない街。
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