13 シム その12

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    13 シム その12

13 シム その12  船着き場の守りを鍛冶屋のおやじに頼み込み、老人は峠を目指す商人たちの後を追った。  深い木立の間を縫って登る道はけっこう険しく、山育ちの毛深い小馬と人力だけではたいした荷が運べないので、このルートを取る者は少ない。  二日遅れて追いかけた老人が商隊に追いついたのは、峠を越えてからだった。  だがそこにも、子供たちの姿はない。 「ああ、人買いの一行か?峠を越える前に別れたよ」  商人の護衛たちが答えて言った。 「子供の何人かが歩けなくなってな。病持ちもいるようだったし、そのまま置いて来ちまった」  じゃが、途中では行き会わなかったぞ。  戻ったのでないなら、迷ったか。猟師や炭焼きの使う踏み分け道に入り込んだか。  行方を見失って探すうちに、三日、四日と日は過ぎていく。  そしてようやく少年の行方を突き止めた時、あまりの無惨さに老人は打ちのめされ、声もなかった。 「人買いたちが病気の子供をまとめて捨てて行きやがって」  炭焼きと荷運びの人足たちが吐き出すように言った。 「朽ちた炭焼き小屋に閉じ込めて、そのまま置いていっちまったんだ」 「ひでぇありさまだった」 「もう手の施しようがなくて、そのまま火をつけて小屋ごと焼いたんだ」 「一人だけ生きてて逃げ出したけど、灼熱病だろ。  伝染っちゃ大変だって、皆で石投げて追いつめて、河に投げ込んだよ」
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