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「おいちょっとまて。なんでお前がここにいるんだ」
「ワタクシの家は、魔王様の家系に仕えるメイドの家系ですので。アリューゼシド様のいるところにメイドであるワタクシいるのは当然のことです」
落ち着いた声で言う、隣の席のそいつは――――――俺が幼い頃からずーっと顔を合わせてきた、魔王家のメイドであるセツナであった。
つくりもののように整った顔立ちに、濁りのない白銀のショートヘア。学園の制服を着ているので、普段のメイド服姿とは雰囲気が異なるが、しかし間違いない。
おさない頃からあれやこれやと口うるさく後をつけ回ってきた魔王家専属メイド、セツナである。
「セツナ、もしかして…………お前もお茶目を働いて、神に異界送りされたのか?」
「いやだなぁ、そんなバカな人はアリューゼシド様くらいですよ」
こいつバカって言ったよ。仕えている側なのにバカって言ったよ?
「なら、なんでセツナがここにいるんだ」
「なんでって……。ワタクシ、以前からこの学園に通っていましたから」
「えっ、なにッ!? そういうのアリなのッ!?」
なんかさらっと爆弾発言しちゃってるよ、この人……。
確かに。こいつは俺と同い年であるはずなのに、魔界学校に通っていなかった。しかしそれは、メイドとしての修行をするためだとか何とか言っていたはずだが……。
まさか俺に内緒で異世界の学校に通っていたなんて、こりゃあ一大スクープである。
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