プロローグ。始まりはいつも唐突に、そして無情に。

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 未だ睨みつけてくるタンニンに、俺は手の平を向けて、高らかに呪文を唱えた。 「後悔して死ぬがいいっ! ダークネスファントムスクリューカイザーストーム!」  ………………しーーーーーん。見事なまでな静寂。  ………………あれ? あれあれあれあれあれあれっ!? どうなっているっ! 魔法がでないぞっ!?  ちょっとまて、どうなってる! そういえば、魔力を感じないし……おいおいおい、これはどういうことだっ! 「…………転校生、言いたいことはそれだけか?」  さーっと血の気が引く。タンニンとやらが、めちゃくちゃ怒っている。 「ちょっ、ちょっと待つんだ、タンニンよっ! タンマだ、タンマっ! 今、別の魔法を……」 「うるせえぇっ死にさらせぇぇっ! ジャーマンスープレックス!」 「ぶげらっ!」  ぼこられる。タンニンの鉄拳が飛んでくる。顔面直撃。我、ぶざまなり……。  ああ、なんなのだ。ここは何なのだ……。次期魔王(候補)である俺が、どうしてこんな惨めなことに……。  どうして、こんなことになったのだ?  俺はふと、遠い昔を思い出す。  次期魔王(候補)である俺が、こんな、意味の分からない場所に送られた、ちょーーーっと前のことを、まざまざと思い出す。 ※ ――――――――――――
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