プロローグ。始まりはいつも唐突に、そして無情に。

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※  右腕を振るうと山は吹き飛び、左手を振るうと川が割れる。世界を統べるにふさわしい魔力が、我の中にあふれている。  人間の命など、ろうそくの火も同然の儚さだ。呪文を唱え、魔力を解放すれば、塵芥の村人どもなんぞあっという間に消し炭だ。  まあ、まだ人前に出て殺戮など行ったことはないし、人間の命なんて奪ったことないのだが……。  しかし! 我は次期魔王! 現在魔界をすべている父上の実子である。  他の追随を許さないほどの圧倒的な力を持ち得ているし、魔王の座を狙う、他の貴賤な俗物たちよりも優れた存在だ!  ふはははははっ! 我は、最強最悪の魔王になるのだ。  勇者よ、さあ来い! 貴様らなんぞなど恐れるに足らぬ。我が魔王となるための礎としてやろう!!  フハハハハハハハハハっ!!  はははははははっ!  はーっははは!
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