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――――――とまあ、涙無しでは語れぬ経緯があり、我、次期魔王(候補)こと、アリューゼシド・フォン・デュラムは、異世界の学園に通うことになったわけである。
目を覚ましたらそこは見知らぬ場所で。なんだかちんけな人間の恰好をしていた。ちんちくりんな制服を身にまとっており、妙に身体が重かった。
意味も分からない俺の目のまえには、「お前のタンニンの先生だ」と名乗る、ちびっこ幼女がいて。意味の分からない説明をあれこれされた後、教室に連れられて。
そうして、現在の自己紹介にいたるわけである。
この世界のことはよくわからんが、さすがは俺様!
名乗れと言われたので名乗ってやったら、教室にいる人間のアホどもは、ぽかんと情けない顔で俺を見ている。
注目を浴びる我! 次期魔王(候補)! きっと、奴らの目には、俺がかがやいて映っているに違いない。
…………こんな状況でなければ、の話だが。
「た、タンニンよ……っ! ギブだ、ギブっ! いたいいたいっ! それ関節! 関節きまってるって!」
今の俺は、教壇の上でタンニンに関節技をかけられて悶絶しているとです。
「ああぁン? てめぇ、先生に喧嘩売ったらどうなるか分かったか? ああ、こらっ!?」
「分かった分かりましたっ! だからヤメテぇぇぇえーーーーーっ!」
ギャーギャー騒いだ後。ふんっと鼻を鳴らしたタンニンの手が離れ、ようやく解放してもらえた。
からだの節々が痛い。そして、教室内の視線もいたい……。踏んだり蹴ったりである。
タンニンめ…………。人間の女のくせして、なんて恐ろしい奴なんだ……。色気のない幼女体質のどこに、これだけの力があるのだろうか。
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