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「くそっ……この世界の幼女は、いったいどうなっているんだ……」
「あぁん? 今、幼女って言ったか?」
「イイエ、ナイモイッテイマセンヨ」
タンニンがすさまじい威圧感で睨んでいる。
やばいやばい。幼女というのは禁句らしい。うっかり口を滑らせようものなら……。
「今度、ふざけたこと抜かしたら…………分かってるよなぁ?」
「イエスマムっ!」
敬礼する俺。考えるのも恐ろしいので止めておこう。
くそっ、魔法が使えればこんな奴一発で消し炭なんだが……。どういうわけか、この世界では魔法が使えないみたいである。というか魔力すら感じない。これは由々しき事態だ。
とりあえず、タンニンは恐ろしいので従っておくほうがいいだろう。知らぬ世界のことだ。ひとつひとつ覚えていくしかあるまい。
「――――――――んじゃあ、さっさと席につけ。お前の席はあそこな」
タンニンが後ろの列の空いている席を指さす。
ふむ、名乗るのに必死で、この世界の学校とやらをよく見ていなかったが……。大まかな造りは魔界学校と同じらしい。
黒板があって、生徒用の机が整然とならんでいて、先生の授業を受ける。まあ、これなら右も左も知らぬ俺でもどうにかなるだろう。
とりあえずタンニンに従い、席へと向かう。途中、周りの人間のひそひそとささやき合う声が四方から聞こえてくる。
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