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夜風が勢いをつけて私を追い越していき、足元の草をざわつかせる。 バサバサと大げさな音を立てて煽る風に一瞬顔をしかめながら、空を見上げた。 濃紺の空に撒き散らされた星の光はこぼれ落ちそうなほどに空を埋めつくし、視線をとらえて離さない。 深く息を吸い込むと、濃い緑の匂いがした。 「さむっ」 自分の声でないそれに、今さらながらビクッと反応する。 声とともに、ザクザクと砂利を踏みしめる音が隣にやって来て止まった。 空気が震える。 言葉を探して、気配を感じて。
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